思いつきで作ることにした大きい家畜オブジェ
もちろん材料は持って来てないし、お金もそんなに使えないから現地で調達できるもので…と考えてみました。 新聞紙とダンボールなら張り子的な方法で大きいものが作れるかも!やったことないけど集められる材料でやるしかない! と思いつき、いつもの「未来の自分がどうにかしてくれ」精神でまずは材料を集めることにしました。 街を彷徨き新聞紙とダンボールを探すもなかなか落ちてるもんじゃない。 夕方頃、駅の向こうの坂の上にある工場に辿り着き入口にダンボールが重ねてあるのを見つけ、事情を話し譲ってもらいました。坂の上から日が傾き始めている街を眺めて達成感を味わいました。 新聞紙は無いので集めることに。 知人の友人がちょうどパリから遊びに来てたのでダンボールに「新聞紙ください」と書いてもらいギャラリーの前に設置しました。 すぐにどっさり新聞紙の寄付がありました。この街優しすぎる…。 ヴィトレ在住日本人アーティストの方から糊と白ペンキ、容器なども準備していただきました。 公開制作の準備万端です! 今回の展示の経緯
ヴィトレ在住の日本人アーティストの方から「ヴィトレの活性化のために空き店舗をいくつかギャラリーとして活用するプロジェクトが立ち上がり元ブティックをおさえたので日本人アーティスト何名かで順番に展示していく」というお知らせをいただいたので「楽しそう!」と参加させていただくことになったのでした。 この方にはお家のことや言語のことなど何から何まで本当にお世話になりました。 高校生活が終わるまで人との関わり方が下手すぎて人の優しさに応えるやり方がわからないような不器用すぎる人間だったけど大学から自ら行動することを意識して、言葉を使い始めて人と関わるというのを知っていって、完璧にはなれないけど出来ることを頑張って(主に社交性) 親切な方や素敵な方との積極的な出会いが増えて、そして関われてることが本当にありがたいと思います。 根は引きこもりなのでこれはなんかすごいことなんです。 元ブティックの空き家は大きなアーチ状の窓があってそれだけで日本とは違う雰囲気が感じられました。 私の作品は海外の方から見ると日本的らしいのですがこういう西洋的な雰囲気にも溶け込む静かさが伝わりそうな窓辺で大変うっとりしました。 当初私一人で展示することを考えてましたが、バックパッカー知人のヘアカット、知人の友人でパリ在住のクチュリエのつまみ細工アクセサリー、知人の友人2の木工アクセサリーも合同で展示することになりました。(このあとも増えていく) 知人とあーだこーだしながら作品の配置をし、わりとスムーズに設営完了しました。 しかし 人があまり入って来ない… バカンスシーズンだったのでまだ人は多いほうだろうけども城の吸引力が強すぎて、否、ギャラリーの立地は城前だからむしろ人の流れがあってとても良い場所なのに窓から覗くだけの方がほとんど。 これはこちらの問題だ! ギャラリーって入りづらいしね!何か新たなことをしよう!ということで普段作ってる高さ30cm未満の家畜オブジェを1.7m級で作ることにしました。 パリを発ちラバルで乗り換えヴィトレに着きました。
フランス北西部ブルターニュ地方の都市レンヌの手前です。 初めてのヨーロッパの地方 パリも自然が多いと感じたけどより自然が多くてなんかメルヘンな家が多くて、というか家が長持ちでとんでもない形でも残ってるのがすごい。 一般人の家が大阪城レベルの築年数 ホテルも駅前にありますが石造りの家を綺麗にして一軒まるごと貸しをされてるお家に滞在しました。3階は屋根裏のようなお部屋にベッドが並んでいて天窓付き。朝は天窓からの明かりで起きる最高仕様です。(毎朝目を開けると夜露でキラキラしてる天窓が見えて「うわ…今日もフランスで生きてる」と感動してた) 家の前の駐車場のサクランボを摘んでいいと教えていただいたので早速ボウル一杯分をコンフィチュールにしました。現地の方々は欲深くないようで上のほうにまだたくさん実がありました。フリーサクランボありがたし。 日本から緩衝材を兼ねてレトルト食品を詰めてきたのでそれらとコンフィチュールと現地で購入する食糧で生きる感じです。 パリではモノプリ惣菜と外食に頼ってきた故これからはなるべく自炊で節約です。 2〜3週間ほど住むように滞在するのでどんな食べ物に出会えるか楽しみ 展示のために来たけど現地を楽しんでなんぼですからね! だから搬入作業の前に早速駅前のパン屋さんでデザートを買いました。フランスのパン屋さんはケーキも陳列してるから誘惑が多い 散歩中の犬がチーズ屋さんでおやつをもらえると思ってるくらいに誘惑が多いです。 あとこれも大事なので書いておきますが、ヴィトレは城壁に囲まれたエリアと壁外のエリアがあってお家は壁外、ギャラリーは壁内の城の前にありました。この頃進撃の巨人に大ハマりしてたので毎日ギャラリーに向かう時は1.7m級の巨人の気分でした。 ヴィトレまではTGV(特急列車)で移動
新幹線みたいなもんやろなあって思ってました。 知人が駅構内で飲食物を買ってる間に、荷物の多い私は先に列車に向かい乗っておくことにしました。 しばらく列車の横を歩きながら二等車の入口を探すがドアが無い。列車の全長の半分くらいまで歩いたところでハッとしました。 反対側のホームに入口があるんだと。 やべえやべえうっかりしてたと思いつつ引き返し作品の入った重い荷物(キャリー2、ボストン、肩掛け)を衝撃を与えなさそうなギリギリの速さで引きずり早歩きしてるとベルが鳴った。 まだ発車まで時間あるのに?! なんとTGVという乗り物は発車2分前にドアを閉めるんやと。そして一度閉めたら絶対開けないんやと。 やべえやべえ! これに乗れなかったら1ヶ月間宿も連絡手段も無しにどう過ごすんや!絶対乗り遅れてはならん!と走るも荷物が重い&多すぎて気持ちだけが前進状態 やっと折り返し地点に着いても二等車の入口まではだいぶんあって絶望しながら走った… ホームの中ほどにいる駅員さんが私を見つけて早よ早よ!と大きく手招きするが 「できてたらしてるけどこのスピードが限界ですわ!(大阪弁)」を体現してる私の様子を見かねて少し駆け寄り、ちょうど横にあった一等車の入口に向かって次々と私の荷物と私を投げ込み、その直後にドアが閉まりました。 やべえ… 駅員さんの腕力に感謝いたします。 知人は二等車で私を探してました。すみませんでした。合流しました。 という感じでTGVは新幹線と全然違いました。 写真はヴィトレの第一印象風景です。 メルヘンでした |